2013年6月16日日曜日

還元コントロールとウェーブ形成率を支配する

前回はお役にたつかわからない未知のパーマ技法の紹介でした。

今日のお題還元コントロール。太くて多い毛の場合はチオなどでいけばいいので時間の根気さえあればなんとかなりますが、細い毛やダメージ毛に関してはかなり慎重にいかないと失敗をしやすいですよね。ここでの還元コントロールというのは前回お伝えした還元剤でのコントロール以外のコントロール、ウェーブ形成率についてです。

通常、デジやエアウェーブにおいて、コールドパーマよりも還元は強い位置までコントロールしますが、これについては毛髪の芯に近い部分まで還元を行い、熱により内部の方向を再編成しているものだと考えています。つまり、チオで強還元して、コールドでの還元範囲、浸透領域を超えてしまった場合、髪の内部の構造が乱れて髪の方向性に一貫性がなくなります。

その場合にアイロンで方向を整えるのが矯正です。これは私の考えでいくと毛髪の伸縮を利用した固定であり、エアウェーブやデジタルの場合にも乾燥と熱が加わります

水分により膨潤した状態をロッドで固定し、乾燥する事によって毛髪が収縮し、伸張した毛髪に戻る力が加わる事で髪をのした状態になります。

そこに熱が加わることによって矯正やブローに近い事が行われていると考え、また、熱固定により多少の架橋的な性質を示すものだと考えています。

つまり、還元率の高さと加えた熱の温度が毛髪の構造を変える力が強く、ドライ時の復元力に正比例するという事実が成り立ちます。ただし、これは毛髪の総タンパク質量で限界があり、豊富なSSを含む毛髪であればある程度の熱量の高さにも耐えますし、還元できる量も大きいので再現性の点では優位な位置にありますし、際限なく反応するのではなく、毛髪の太さ、ダメージによりランダム性のある限界点が存在します。

以上の事から私の考える形成率を決定付ける最終的な要素は大きく6つ 

1、ロッド径 

これは還元率と熱をどれだけ利用するかでも変わりますが、要素が少ない場合はロッドサイズを下げて低還元での曲げを利用したパーマが有効になります。これには熟練した技術が必要ですが、意外に知られていない技として2剤酸化前の巻き直しがあります。クリープ前に入れる場合もありますが、私はクリープしてしまうのであれば曲げの緩和が働いてしまい効果は薄いと思います。

2、ロッドに巻きつけた伸張性(2剤前の水分量も関係する)

デジやエアーについての考えは上に記述したとうりです。コールドの場合、水巻してから塗布するものと還元終了してから巻き始めるクリープとでは、ロッドに巻いた時点での伸張性が変わるのと、薬剤浸透中のウェーブ形成がロッドONの状態のほうが上がるため、形成率と再現率の性質に違いがでます。

水巻は形成率は高くドライ時のウェーブギャップがあるため、やや丸みを帯びた仕上がりになります。

還元終了後の巻きは形成率は弱いですが、伸張性と還元幅が大きいためウェーブギャップは少なく、ニュアンスカールや計算通りの仕上がりになります。


あくまで乾燥したほうがドライ時の再現率に関係するというところですが、これは水巻時点でのテンションに関する意味合いも説明できるかと思います。伸張したまま水分が飛ばないとウェーブ効率は上がりますがダメージに関する点で、過度な伸張はさけるべきと思います。


3、クリープ

アルカリ状態のほうが反応は高いので、水洗し切れなかった残留アリカリを利用していると考えますが、還元はあくまで移動準備段階であり実際の移動はクリープという移動時間が必要で、熱により反応速度が速くなります。水巻による還元段階での移動もこれに含まれると考えています。

4、熱固定

SSの豊富な毛髪はコールドでも形成率が落ちにくく仕上がりに問題はありませんが、ダメージしてしまった毛髪の再現率をどう処理するかを考えると、回転数を上げてしまうのでは再現性に欠け、クリープのみでもやや心もとない場合があります。そこで、熱固定による架橋的な性質を利用して乾燥の再現率と熱固定の再現率を合わせた強さを利用します。現実にデジタルの再現率は高く、これは同時にクリープと熱固定と収縮による形状記憶ウェーブをしていると考えられます。

5、毛髪の体積

なによりここが重要で、体積と残存SS、ダメージ度合いでウェーブの再現率と反応に対する耐久率がかわります。

6、還元率

いうまでも無くどの範囲で動かすかで還元率が決まります。




今回はちょっと長くて読むのも大変ですが、独自理論ですのであくまで創造の範囲を超えませんが、この要素をフル活用することでお客様に喜んでいただけたら幸いです。

次回はまだお題はきまっておりませんが読みやすい記事で休憩をいれたいと思います(笑)、ご期待ください。






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