2013年6月27日木曜日

カラーの失敗要素

カラーリングが上手くいかない時の理由としては大きく3つあると思う。1つは二剤不足。特にハイトーンになればなるほど二剤不足のアドバンテージは大きく、特に太い髪質には多めの二剤+やや明るめの選定が必要。2つめは温度管理、夏はエアコンが効いている為室温が低くなり、反応も鈍くなりやすい。パーマキャップなどして温度調整が必要だと思う。3つめはハケ塗り、ハケ塗りは作業効率は高いが、塗り残しが発生しやすい。特に密度の高い毛髪にはコーム塗布をすると上下左右にカラー剤が入り込み、しっかり色味が入りやすい。ハケ塗布は上下のみなので行き渡らない部分がでてきてしまう。

2013年6月26日水曜日

続・複合還元

最近になり使い始めた複合還元剤、時代としては1〜2年遅いかもしれない。しかし、煮詰めてから使用するのと、ぱっと使いでは対処できるかできないかに雲泥の差がでてくる。複合の良さは狙った強さで思いどうりに一発でかかる事。濃度の強弱だけでいけるのでこれほど簡単なパーマ剤はいまだかつて無い。ただし前記事で記した通り毛先の処理をどうするかと、匂いの問題が残っている。毛先の処理についてはF-レイヤーと言われる部分の脱脂が考えられる為、ペリセア、タンニン、アルキルケラチン、アルガニアオイルの添加、エルカラクトン、補強としてポリクオタニウム類、R-ST、アクアフィルム、グリコシルトレハロースなどが挙げられる。一時的な脱脂なのでそこまで神経質に考えなくてもいいので、ペリセアやオイル添加、タンニン辺りが手を出しやすいと思う。臭いについては、オイルやタンニンあたりで効果があるかもしれない。ちなみに過水でも匂いは取れなかったので、早急に対処すべき課題になる。

2013年6月25日火曜日

スピエラの必要性

先日地元山形において、ストデジの巨匠パリスさんの講習に参加。並のケミカル知識ならケミオタという称号を与えられるが、パリスさんとMAGOさんは美容師の中でも群を抜いた知識量に置いて美容師達からは尊敬の眼差しで"巨匠"と讃えられる。パリスさんは技術のみピックアップされがちだが、理論講習にこそその真髄があり、我々を新たなステップへと導いてくれる。二人のコラボがいずれまた再開して欲しいと切に願いながら、スピエラの重要性。今まで紹介してきた施術方法でもなかなか曲がりにくい髪というものが存在することがあった。私としては理解はしていたが、スピエラの高額なコストもあり、踏み込むに至らなかった
。チオでもいずれは攻めれるけれども、疎水領域に到達する頃にはハイダメージに見舞われる。それをスピエラはいとも簡単に還元していき、ダメージを起こしにくい。パリスさんの講習に置いて必要性を再認識させられた。単品での使用は至極限定されるけれども、リスクを考えたらやはり必要な還元剤なのだろう。

2013年6月23日日曜日

矯正と軟化と体力温存

矯正においては現在チオ+システアミンの低アルカリ高還元処方が主流で、理由としてはハイダメージに対するリスク回避と質感の良さ、お手軽で手間がかからないのがポイント。注意点としてはシステアミン濃度の使い分けと、チオ側のアルカリ度の調整。当然の事ながらシステアミン濃度が高ければ低アルカリに調整しても表面軟化は進むので、ある程度太くて耐久性の高い毛髪かつ癖が伸びにくい毛質に有効。逆に細くて弱々しい髪質にはシステアミン濃度が高く、高アルカリの条件下では軟化が進みすぎて取り回しの難しい状態になるので、システアミン濃度は下げたほうが軟化が進まなく取り回しが良い。いずれにせよチオとアルカリの関係性がある為、毛髪体力を温存せざるおえないタイプの矯正にミックス還元は配合でのシビアなコントロールが必要。酸性矯正はアルカリタイプのチオを最初の短時間で浸透させ、水洗後に弱酸性域のチオを2ステップで処理する為、手間はかかるが毛髪の軟化をさせずに必要最小限のダメージで施術する事ができる。

2013年6月21日金曜日

TGSの考察

一時期彗星の如く現れ、疾風の如く消えて行ったTGS(チオグリセリン)感作性が強いとされ、手が痒くなった美容師が多いせいだったとおもう。最近になってハイブリッド還元剤(4種の還元剤ミックス)として私の好きなルベルあたりで出してきましたが、かかり具合がすこぶる良い。私の主観だとTGSは髪の油分を一時的に抜き去り、その作用で毛髪を軽くする。軽くなった毛髪はリッジを出す恩恵を得るが、リスクがないわけではなく、ダメージ毛の毛先に対して強烈な硬さと乾燥が発生し一時的にゴワゴワになる。これは前処理を徹底し薬剤選定も弱くすれば回避することができる。ただし、重い処理をするのはお門違いでTGSの良さを消してしまう。ダブル還元も私はナンセンスだと思う。ダブル還元してしまえば、ハイブリッド還元の意味がなく、なんの為のハイブリッド還元かといえば、一発で綺麗にかける為にあると私は思う。

2013年6月20日木曜日

矯正についての閃き

東北も梅雨に入り、矯正のシーズンがようやく到来したようです。私のお店では矯正は4種ありますが、パーマのお客様のほうが多いという嬉しいやらなにやらですが(笑) 還元剤について書いた記事を読み返した時に、頭の中で一つ閃きがありました。それは熱とストレッチを同時に行った場合、(この場合の熱は圧縮蒸気です)クリープ作用が極限に短縮され、水分を保持したままストレートになるのではないかという仮説です。直元工業の圧縮蒸気の機械にアイロンがあった事を思い出し、閃きました。これが実現すれば、アイロン焼けの心配もなく、いまよりも安全なストレート技術になるはずです。乾燥工程も必要になりそうですが、ブローのみでいけそうですね。薬剤はシステアミンとチオ少々といったところでしょうか。いずれデモ機を借りてチャレンジしてみたいと思います。

2013年6月19日水曜日

ヒラメキ+コウドウ×チエ=イノベーション

今年の一月頃の話。パーマ馬鹿を集めたFBサークルではディアリーブロー矯正の話で持ちきりだった。ブロー矯正は還元力が必要なのでかなりヤバ目の還元をしないと伸びないという内容だった事までは覚えている。自分はやらないと思っていたので、皆とは別の事を考えていた。状態の悪い髪にヘナのタンニン酸が加わり収斂する。状態が悪いのはある程度広がっている状態なので、収斂時にロッドを巻いたらパーマがかかるのではないかという妄想だった。そこに、スカイスパ渡邉氏が以前からタンニンを利用したパーマの文献を読んでいてタンニン架橋のパーマをやり始めたのがタンニンパーマの始まり。そこに美容界の賢人MAGOさんの比類なき知識が加わり現在のタンニンパーマプロジェクトが出来上がった。そして今、新たなパーマとして注目を集め始める。何気ないヒラメキ+あくなきコウドウは賢人のチエを得て何百倍にも力をつけイノベーションを起こす現実を目の当たりにした瞬間だった。まだ小さな光だけれど、いずれ大きな光になるかもしれない物語。